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文芸春秋十月号・白鵬インタビューを読む(1)

先月号の『文芸春秋』誌に
「横綱白鵬すべてを語る」というインタビュー記事が掲載されている。
朝田武蔵さんという方の手によるもので、
過去には野球の松井秀喜に関する本などを書いている人。
この記事が相撲好きには当然ながら興味深いので、ちょっと紹介。

力士のインタビュー記事というと普通は専門誌に限られ、
それも単純な対談形式のものがもっぱらで余り面白みがない。
この記事はインタビューアーの考察もまじえてまとめられており、
読み応えのあるものとなっている。

特に興味深いのは、白鵬が自らの勝利の哲学について語るくだり。
3月場所の優勝インタビューで「勝利の哲学」を問われた白鵬は、
「勝つ相撲を取らないこと」と謎かけのような言葉を残していたらしい。
(わたしは引用しておいてちっとも覚えていない。中継でみてたはずなのだが)
ともあれ、その真意について。

「歌にあるじゃないですか、勝つと思うな、思えば負けよって。だから、勝ちに行くんじゃないぞみたいな。」



25歳のモンゴルの青年から美空ひばりが出てくるのが凄いが…

「横綱っていうのは、思い切って(相撲を)やってないんです。100%(の力)でやってない。
そうすると絶対、落とし穴があるんです」

「バーッと馬鹿みたいに行ったりしたら、負けちゃいますからね。
逆に、思い切って(相手を)受けてもいない。このバランスが取れてるのが横綱なんです」



以前の白鵬、特に横綱に昇進する前の白鵬は、
立ち合いで右四つに組めないと慌て、
ちょっといい格好になろうものならまわしも十分取れていないのに喜んで突っ走り、
土俵際で逆転を喰らうことが多々あった。
稀勢の里などに突き落とされ、土俵下で舌をだしていたのが印象的だった。
ああいう相撲はもう殆ど見られなくなったが、
裏にはこうした精神面での成長があったのだろう。

「だから、決して無理しない。結果を求めないということなんです。
負けていいじゃんみたいな。ホントは負けちゃいけないけどね」



このあたりが「勝つ相撲を取らない」ことの要諦らしい。

「流れで、いい相撲をとる。そうすると固くならないね。
右四つ(中略)自分の型なんで、心の中にはあるんです。
それを心掛けていますけどね、無理にそれにこだわらない。
そうならなくても焦らない。流れで焦らず、取りきると」

「自分の型でとろう、とろうとひとつに絞っちゃうと、体が動かないね。
だから流れるままにとる、自分の相撲をとり切る、勝つ相撲をとらない。
自分に言い聞かせているんです」



先に書いた、得意手になれないと慌てていた時代にも通じる話。
大関昇進前に会得した左前ミツ、右下手の型は昇進後まわりに研究され、
しばらく伸び悩んでいた時期があった。
それを乗りこえて横綱に昇進してからも、まわしがとれずに
強引な投げに打ってでて墓穴をほる光景がしばしばあった。

今の白鵬はそうした段階を脱し、
うるさい相手をじっくり料理するプロセスを楽しんでいるようにも映る。
裏では当人にこんな泰然とした心構えがあったわけだ。

この記事は面白いので明日以降もう少し紹介したい。
(「人のふんどしで相撲をとって」いる気がしないでもないけど)


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ジャンル : スポーツ

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No title

最近の白鵬にはどんどん付け入るスキがなくなっている気がします。
「流れるままに」ですか。ほんとにそんな雰囲気ですね。

Re: あっきーさんへ

> 最近の白鵬にはどんどん付け入るスキがなくなっている気がします。
> 「流れるままに」ですか。ほんとにそんな雰囲気ですね。

相手力士が何をしてこようと、それを無心で受けている雰囲気がありますよね。
それを突き崩す力士も現れてほしいんですが。
プロフィール

うぃぬっ

Author:うぃぬっ
相撲の好きな犬。新潟県在住。近眼。千代の富士の時代に相撲を見始め、若貴時代はヒネくれていたのであまり見ず、朝青龍のときにまた見始めて現在に至る。

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