スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

われわれはみな稀勢の里である

白鵬の一夜明け会見の拒否は、奥さんの流産であることが判明した。

あきらかになってみれば、白鵬にも奥さんにも同情を禁じ得ない。
そういうことだったのか。
私はいつも白鵬負けちまえと思いながら相撲を見ているが、
今回の件に関してはそんな言葉も慎みたい。

千秋楽の表彰式で国家斉唱の際、彼は口をつぐんでじっと眼を閉じていた。
いつもちゃんと歌うのに奇妙に感じたが、
今にして思えば、生まれてこれなかった子供に一人黙祷を捧げていたのだろう。

しかし一連の騒動を振り返ってみれば、
何とも引っかかるのは白鵬のことよりむしろ、私も含め、彼の沈黙に戸惑う相撲ファンのネット上の言動だった。

千秋楽結びの一番、日馬富士が白鵬を破れば稀勢の里と白鵬の決定戦となる状況。
日本人びいきの満員の観衆からは圧倒的な日馬富士コール。
これが白鵬の気に障ったのだ、かわいそうに、
どんなに努力しても結局よそ者扱いだ、なんと気の毒、
会見拒否は自分を受け入れない日本人に対する無言の抵抗なのだ、
そんな声がヤフコメにもツイッターにもブログにも溢れていた。

私自身は毎場所中継を見ていて、そんなの今に始まったことじゃないじゃん、と思った。
日馬富士をダシにした間接的な稀勢の里コール、これまでも度々あったことだ。
いまさらそれで拗ねるような、白鵬はそんなタマではない。
何か別の理由があるんだろう、とは考えつつも、
しかしなあ、さすがに白鵬も衰えてはきたし、憎まれ役もいい加減疲れたかな…
などとつまらぬ邪推をしたものだった。

事実が判明すればまるで見当違い。
この騒ぎは何だったのだろう。

相手の沈黙にオタオタとし、きっと気分を害したのだ、
気の毒に可哀そうにと気を遣い、偏狭な応援は改めましょうと呼びかける。
その態度はとかく同調を求め、
和をもって貴しとなす日本人の弱さを露呈したものに他ならない。

今回の一件で、日本人びいきに気を悪くしたのだと騒いだ者は、
稀勢の里に向かってあいつはメンタルが弱いなどとこきおろす資格はない。

去る5月場所12日目、立ち合い二度つっかけたあと申し訳なく思ったか、
三度目の白鵬の強引な立ち合いに、無理につきあってここ一番を棒にふった稀勢の里。
ずる賢ささえ感じられる白鵬のタイミングに、お人好しの稀勢の里はまんまとはめられてしまった。
その姿は、自分が不利でも何とか場を成立させようとする、
私も含めた心優しいネット上の相撲ファンにもダブって見える。
相手はひたすら自分の都合で動いているだけだというのに。

もちろん立ち合いはお互いに合わせるのが基本であるし、
今回の白鵬のようにひたすら自分のタイミングで立つのは間違っている。
しかし自分のタイミングを見失ってしまっては元も子もない。

同様に相撲ファンも、日本人を応援したいという素直な気持ちを何ら捻じ曲げる必要はない。
そもそも相手は大横綱である。
負けろ負けろと目の敵にしながら見るのが正しい作法だ。
(まあ万歳コールはさすがにやりすぎだった思うが)

プライベートのことは本当に気の毒に思うし、
そのあとの行動も一人の人間として見事なものだった。
しかし横綱としては、こちらも遠慮なく憎ませてもらうこととしよう。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

うぃぬっ

Author:うぃぬっ
相撲の好きな犬。新潟県在住。近眼。千代の富士の時代に相撲を見始め、若貴時代はヒネくれていたのであまり見ず、朝青龍のときにまた見始めて現在に至る。

リンク
最近の記事
最近のコメント
カテゴリー
月別アーカイブ
参加中
ブログ内検索
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。