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日本流の精神主義には馴染めなかった琴欧洲

5月場所前に国技館内の相撲教習所で行われたファンイベント「相撲塾」の模様がネット上にupされていた。
司会進行関ノ戸親方(元岩木山)、ゲスト琴欧洲親方の楽しいトーク。
そのうち消されてしまうかも知れないので、今のうちに紹介しておく。
(上げてくださった方、ありがとうございます)



1時間弱のトークだったが、個人的に興味深かったのが後半、ファンとの質疑応答。
みなさん結構直球勝負で親方も大変。
動画を見てもらえばいいのだけど、長いので抜粋して紹介。


横綱の白鵬に勝った時は、どんな気持ちでしたか。

「(しばらく面白くなさそうな顔で沈黙)…うーん、うれしいと言えばうれしいけど、何回も勝ってるから…
そういうと偉そうになるけど…まあ毎回、横綱を倒すのは嬉しいものです」


意地悪な質問で恐縮ですが、
明日、合い口の悪い力士と対戦だというとき、どういう感じでしたか。
たとえば対安美錦戦とか…


(場内爆笑、当人はムッとした様子)

「えっ、何で安美錦関だと嫌だと思ってますかね…別に誰でも一緒じゃないですか。
土俵に上がれば(合い口が)いいか悪いか、関係ないじゃないですか。
そればっかり考えたら相撲にならない」


見る側としては土俵上での苦悩に満ちた顔ばかり印象に残っているので、ちょっと当てが外れたような問答に。
相撲ファンは「気弱な大関」というレッテルを張ってみていたが、
本人はプライドを持って必死で勝負に臨んでいたのだな。まあ当然といえば当然だけど。


親方は現役時代、ケガが多かったんですけど、ケガをしない体を作るには、どうしたらいいか、
あと、横綱になれなかった原因は何かと(場内笑)


「結構深く突っ込みますね(笑)
まあ、うちの先代の親方(先代佐渡ヶ獄親方・元横綱琴桜)からね、ケガは稽古場で治せと言われて、
自分も一日も休めなくて、稽古場降りて、(ケガしていても)できることはやっておりましたので…
もっとケガしたときにはちゃんと直してれば、ずるずる引っ張らなかったと思います。
それが原因だったと思います」

白鵬関はそんなにケガしないじゃないですか。ケガをしない原因は何なんですか。

「(ちょっとイラ立った様子)自分で見て分かんない?体の柔らかさ。
自分は体が硬いから…体が柔らかいとケガしにくい」

じゃあそういうのを直してれば、横綱になれたかもしれない。

「かもしれないですね。
まあ綱取りのチャンスもありましたけど、自分の中では、心技体が揃わなかったんじゃないかな」


質問したのは男性の方で、かなり遠慮がない。
よほど琴欧洲に期待していた人なのか、はたまたよほど嫌いだったのか。
もっともそのおかげで当人の本音がよく出た一幕。

「ケガは稽古場で治せ」というのは相撲界でよく言われることだが、
琴欧洲はその金言にはっきりとここで反対の立場を取っている。
あそこで無理さえしていなければ、もっとやれたのに、そんな悔しさも滲み出ている。

そういえばテレビ中継では、当時佐渡ヶ獄部屋で指導にあたっていた中村親方(元琴錦)が、
「うちの欧洲はあそこが痛いここが痛いと言ってよく稽古を休む」としょっちゅうこぼしていた。

「一日も休めなくて」という当人の言葉とは矛盾するし、
実際はその間のグレーゾーンを行ったり来たりしていたのであろう。
ただブルガリアからやってきた彼にとっては、
日本流の精神主義はどうにも受け入れがたいものだったに違いない。


日本国籍を取得されて「カロヤン」という名前をそのままお使いになりましたけど、
漢字の名前というのは候補にあったんでしょうか


「まあカロヤンって漢字にすると当て字になって滅茶苦茶になりますので(場内爆笑)
何かのときにこういう字と説明するよりはカタカナの方がいいかと」


日本人らしく…といったことよりも、この人の頭の中では何かの際の手間暇の方がまず優先される。
ケガの話もそうだが、物事を合理的に考える人なのだな。


若手、新弟子の話も出てきて。
教習所でセンセイも務めておられる関ノ戸親方も話に加わる。

コロッケさんの息子さんの琴滝川くんが入門するんですけど、琴欧洲関が教えてるんですか。

琴欧洲「はい、教えてます」

将来的にはどうでしょう。

琴欧洲「本人は今場所初めて番付乗りましたんで、これから頑張んなきゃいけないですね」

関ノ戸「彼教習生ですけど、身長はそんなに無いんですよね」

琴欧洲「172、3ですね」

関ノ戸「で、右四つがっぷりの相撲なんですよ。あの身長でがっぷりの相撲はダメだよね」

琴欧洲「キツイですよ。頭で当たって、突き放して中に入ればいいけどね」

関ノ戸「今場所初めてデビューして、自分がどれくらいやれるか分かると思うんで、
それから自ずと自分で変えていくと思いますよ。あの相撲だと本人、感じてると思いますよ。
教習所でもそんなに目立った成績じゃないんで(笑)、
まあ今学生(出身)が多いんでね(仕方がないけれど)」


ちなみに琴滝川クンは5月場所、4勝3敗とめでたく勝ち越している。ガンバレ。

親方から見て、今後期待できる若手は?十両とか幕下で。

琴欧洲「今場所新十両の逸ノ城ですね。すぐ伸びてくるように見えました。
去年の九州場所うちの部屋に出稽古に来てて、まだ入門前でしたけど、
うちの部屋の琴宏梅と結構いい勝負していたんですが、
次1月場所前、出稽古来た時には、もう琴宏梅が全然勝てなくなってた。
ちゃんと考えてやってますんで、すぐ力つけてくるんじゃないかな」

関ノ戸「私も?うちの部屋(境川部屋)で言うと、
諫誠が今年中に何とかなるだろうと思っていたんですけど、残念ながら今場所休場なんです。
1月場所で膝痛めて、3月で悪化させて、ちょっと手術したんですけど、だいぶかかるなという感じで。
「逆に佐渡ヶ獄部屋でいうと、わたし琴誠剛の相撲が好きで。
身長もあるし、左四つかな、右の上手取って。
教習所でも模範生でしたね。よく稽古するし、素直だし。何とか強くなってほしいなと思っています」

琴欧洲「そうですねえ、まあ本人自分なりに頑張ってますけど、全然足りないですね(場内笑)。
将来的には上にあがると思いますけど、まだ先です」


逸ノ城の成長ぶりは稽古場でも明らかだったようだ。
かつての白鵬がそうだったように、まったくもって「恐ろしい子」である。


それにしても土俵上では分からない親方の素顔が垣間見える、貴重なインタビューだった。
ヨーロッパ出身初の親方として、ご活躍をお祈りします。
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プロフィール

うぃぬっ

Author:うぃぬっ
相撲の好きな犬。新潟県在住。近眼。千代の富士の時代に相撲を見始め、若貴時代はヒネくれていたのであまり見ず、朝青龍のときにまた見始めて現在に至る。

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