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やはり物言いの場には再生映像を

月刊誌で1000円と高い割りには、
毎号記事も少なく大して面白くないベースボールマガジン社の「相撲」。
しかし今月初めに発売された「名古屋場所展望号」はよかった。


相撲 2014年 07月号 [雑誌]相撲 2014年 07月号 [雑誌]
(2014/07/03)
池田哲雄

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何より目を引いたのは、相撲ライター十枝慶二氏の寄稿
「緊急提言『マゲつかみ問題』を考える」であった。

「『マゲつかみ問題』を…」と題していながら、
実は主題はそこでなく、現行の審判制度そのものを論じている。
わずか2ページの記事だが中身は濃いのでちょっと取り上げたい。

十枝氏が俎上に載せたのは去る5月場所の14日目、鶴竜―豪栄道戦。
豪栄道のはたき込みに鶴竜が落ちて軍配は豪栄道に上がったものの、
控え力士白鵬の物言いで差し違いとなったあの一番である。



この時の協議は今にして振り返ると、
マゲつかみが争点でありながら、争点そのものに気づかなかった人間だけで行われていたのであった。

記事から引用すると

この一番で、「豪栄道がマゲをつかんでいる」と明確に認識したのは、極論をすれば白鵬一人だ。少なくとも、土俵下の5人の審判はいずれも手を上げなかったのだから、一人も気づいていない。

そして、物言いの協議は、白鵬は参加せず、マゲをつかんだことに気づいていない5人だけで行われた。審判規則では、控え力士が物言いをつける権利は認められる一方で、「勝負判定の協議には加わらず、従って決定権を持たない」と定めているからだ。


起きた問題について討議しながら、
その場にいる人間は誰一人として問題を把握していない。
改めて考えると奇妙な状況だった。

「あんた分かった?」「いや分かんねえ」「俺もだ」
土俵に上がった検査役たちはその程度のやりとりしか出来なかったであろう。
ところが結論は「マゲをつかんで反則」というものだった。
その理由について十枝氏はこう綴る。

考えられる理由は一つ。ビデオ室に控えている6人目の審判から、土俵上の審判長に対して、「マゲをつかんでいる」との報告が伝えられたからだ。そう指摘されれば、気づかなかった5人には、それを否定する根拠はない。だから、反則負けと判断するのもやむを得なかったといえる。


「…最後にマゲつかんでますねえ」「ああそうなの、じゃあしょうがないねえ」
愛弟子に有利なイヤホン越しの報告を、井筒審判長喜んだかどうか。
定かではないがそんなやり取りがあったかもしれない。
それでも残り4人の審判は文句も言えない。
なにしろ自分たちはまるで気づかなかったのだから。

しかしテレビ桟敷で観戦するものには、違和感の残る裁定だった。
スローで見る限り、豪栄道の手がマゲにかかっていたのは鶴竜の体がほとんど落ちてからのことで、
それが勝敗を左右したとは映らなかったからである。

私も当時のブログにそう書いたが、十枝氏自身もほぼ同様の事を述べ、
続いて問題の核心を明らかにする。

ここで指摘したいのは、マゲをつかんだ場面の映像が残っているのに、土俵上の5人の審判がだれ一人としてそれを見ていないことだ。本来、ビデオ室の審判の報告はあくまで参考意見で、決定権は5人の審判にある。ところが、今回は、前述のような事情から5人で正しく判断することが難しくなってしまった。


ならばどうするか。続けて引用。

そこで、今回のような事態を防ぐために、土俵上で協議している審判が再生映像を見られるシステムを導入してはどうだろうか。タブレット端末などの技術が発達した現在では、決して不可能ではないはずだ。


十枝氏に一票。
というか、私も昔このブログで、同じようなことを書いていたんであった。

1日のアクセス数が毎日20件程度のこの零細ブログを(爆)十枝氏が読んだとは考えにくい。
iPadや液晶テレビが日常となった現在、同じように感じる人は少なくないのだろう。

私が以前書いたのはマゲの問題ではなく、
手つきや踏み越しといったより頻発するパターンを踏まえてのものだった。
しかしいずれにしても、スロー再生と審判団の結論がかけ離れたものになるケースは珍しくない。
背景には、最終的な判断を下す審判団自身がスローを見ていない、という制度上の欠落がある。

記事からさらに引く。

思い起こされるのは、昭和44年夏場所、勝負判定へのビデオ導入を決めた時の武蔵川理事長(元幕内出羽ノ花)の姿勢だ。ビデオ導入にあたっては協会独自の機械を設置すべしとの意見もあった。しかし、武蔵川理事長は、NHKの映像を借りることを決断する。理由は、テレビ桟敷のファンが見ているのと同じ映像で分析するほうが、ファンの納得が得られるからだった。


観る者の視点に寄り添った決断だったのだ。

およそ半世紀前には技術的な困難から、
別室でビデオ確認という現状の手法が決まり、今に至っている。
土俵上にブラウン管のテレビを持ち込むのは、さすがに無理があったろう。

しかしようやく一般家庭にカラーテレビが普及しだしたころのやり方を、
タブレット端末や薄型テレビが日常となった今も護持するのはいかがなものか。

武蔵川理事長が今生きていたら、どのような手立てを打ったろうか。
時代の変化に沿った改革を協会には望みたい。

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プロフィール

うぃぬっ

Author:うぃぬっ
相撲の好きな犬。新潟県在住。近眼。千代の富士の時代に相撲を見始め、若貴時代はヒネくれていたのであまり見ず、朝青龍のときにまた見始めて現在に至る。

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